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眼瞼下垂を改善・予防するトレーニング|手術しないで治す方法は?

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柴田 健了(しばた たけのり)

京都大学医学部卒。日本形成外科学会専門医。長年の治療実績、論文の成果が認められた医師のみが認定される日本形成外科学会専門医の資格を持つ。20年以上形成外科・美容外科の専門医として従事し、大手美容外科を経て、フェアクリニック川口院/東京院を開設。クリニックのコンセプト「フェア(正しい・明瞭)」を掲げ、良質な技術を提供。▶公式サイトURL:https://fairclinic.jp/about/

眼瞼挙筋が弱まることで引き起こされる眼瞼下垂(がんけんかすい)。まぶたの開きが悪くなることで、頭痛や肩こりなどが生じる可能性があるため、できるだけ早く改善するのがおすすめです。

本記事では眼瞼下垂を改善、予防するトレーニングについて紹介します。眼瞼下垂の治療についても解説しているので、自分の状態が眼瞼下垂に当てはまるのか知りたい方や眼瞼下垂で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

目次

これって眼瞼下垂?いったいどんな病気なの?

眼瞼下垂の症状について詳しくご存知でしょうか。眼瞼下垂の予防や改善方法を知る前に、まずは症状やリスクについて理解しておきましょう。

 

眼瞼下垂とは、筋力が弱く目の開きが不十分な状態

眼瞼下垂とは加齢や外的刺激によってまぶたを開く筋肉が弱まることで、目の開きが悪くなる病気のことを指します。

眼瞼下垂は瞳にまぶたが被さった状態のため、視野が狭くなることで視力低下や頭痛、肩こりなどの眼精疲労症状が表れます。

 

この症状が当てはまる方は眼瞼下垂の疑いあり

一般的にはまぶたが瞳に被さっている状態のことを眼瞼下垂といいますが、実際には明確な基準は決まっていません、そのため、眼瞼下垂と判断するかは医師によって異なります。

眼瞼下垂によく見られる症状を紹介します。

  • まぶたが重くて目を開けづらい
  • 視野が狭くなった
  • 目を開ける際におでこにシワが寄る
  • ドライアイや眼精疲労に悩んでいる
  • 頭痛や肩こりがある

眼瞼下垂は瞳にまぶたが被さった状態のため、視野が狭くなることで視力低下や頭痛、肩こりなどの眼精疲労症状が表れます。

他にも二重のラインが広がったり、まぶたが三重になったりする方も多いようです。

 

【治療の必要性】眼瞼下垂を放置するリスク

眼瞼下垂の症状を放置したからといって、命に関わるような重大な問題が起こるわけではありません。

しかし、物を見るときに眉毛を上げる癖がつくため、おでこのシワが増えてしまったり、頭痛や肩こりに悩まされたりなどトラブルが発生する場合もあります。

頭痛や肩こりに関しては日常生活に支障をきたす恐れもあるため、気になる方は眼瞼下垂治療を受けることで快適に生活を送れるようになるでしょう。

 

眼瞼下垂はストレッチ・マッサージで改善できる?

眼瞼下垂を、ストレッチやマッサージなどで自力で改善したいと考えている方もいるのではないでしょうか。ここからは、眼瞼下垂を自力で改善できるかについて詳しく解説します。

 

ストレッチ・マッサージで改善される確率は0%に近い

眼瞼下垂改善のストレッチやマッサージは、全く効果がないとまではいえませんが、効果は0%に近いとされています。

まぶたを押したり、引っ張ったりするようなマッサージは、皮膚の靭帯を痛める恐れがあります。靭帯を痛めることで目の上のくぼみやたるみの原因につながることもあるため、注意が必要です。

さらにまぶたを強くこすることで、まぶたの筋肉がダメージを受け、たるみが悪化するケースもあるため、マッサージは控えた方が良いでしょう。

 

軽度の症状を改善する方法はあるが「治す方法」とまではいえない

軽度の眼瞼下垂を改善する方法として、まぶたをテープで吊り上げる方法があります。

この方法を試す際は、まずは市販のサージカルテープを用意しましょう。

1. 4〜5cm幅にテープを2枚カットします
2. 目を閉じた状態でテープの先をまぶたに貼り付けます
3. 目を開けた状態で反対側のテープを引っ張り上げながらおでこに貼り付けましょう

この状態で1日過ごすと眼瞼下垂の症状を軽減できます。しかし効果は一時的であるため、長期間の効果は見込めません。

 

【結論】眼瞼下垂を自分で治すことは難しい

結論からお伝えすると、眼瞼下垂を自分で治すのは難しいといえます。

挙筋は非常に薄い筋肉で、足や腕のように筋トレをして鍛えることが難しい部位です。そのためトレーニングをしたところでほとんど効果はありません。

またマッサージも、かえってまぶたがたるむ原因になるため、眼瞼下垂が気になる方はクリニックで治療を受けるのがおすすめです。

 

自力でもできるのは「予防」まで!眼瞼下垂を防ぐトレーニング法

眼瞼下垂になってしまってからではトレーニングを行うのは遅いといえますが、眼瞼下垂になる前であれば予防のためのトレーニングは効果的です。

ここからは眼瞼下垂を防ぐトレーニング方法を2つ紹介します。

 

①両目を大きく開くトレーニング

目を大きく見開く眼瞼挙筋トレーニングの方法を紹介します。

1. 目を閉じて眉毛を下げるように額の力を抜きます
2. 眉毛が動かないよう手のひらで固定します
3. 両目を限界まで大きく開いて5秒キープしましょう
4. ゆっくり目を閉じてリラックスします

1〜4を1セットとして、1日数回繰り返しましょう。習慣的に行うことで眼瞼挙筋の衰えを防げます。

 

②ウインク・まばたきトレーニング

目の周りの筋肉「眼輪筋(がんりんきん)」を鍛えるトレーニングも予防に効果的といわれています。ウインクとまばたきで眼輪筋を鍛えるトレーニング方法を紹介します。

・ウインク
 1. 右目でウインクを1回します
 2. 左目でウインクを1回します

左右5回ずつを1セットとし、1日数セット繰り返しましょう。

・まばたき
 1. 上を向いて両目でまばたきをします
 2. 1と同様に右左下方向の順でまばたきを行います

上下左右5回ずつを1セットとし、1日数セット繰り返しましょう。

 

トレーニング以外もある|眼瞼下垂を予防する方法

眼瞼下垂を予防する方法はトレーニングだけではありません。日常の過ごし方やツボ押しなどによっても予防できます。眼瞼下垂の症状が表れる前に、行動に移してみましょう。

 

予防法1.目の負担にならない生活を意識する

日常の何気ない習慣がまぶたのたるみを悪化させていることもあります。ここからは日常に潜むまぶたのたるみを悪化させる習慣について紹介します。

 

目をさわる・こする癖

目元の皮膚は薄いため、目を触ったりこすったりするとダメージを受けてたるんでしまいます。特に、花粉症やアレルギーによって目を掻いたりすることが多い方は注意が必要です。

またメイクをする方は、アイメイクを落とす際にできるだけ摩擦を起こさないような方法でクレンジングしましょう。コットンやシートタイプは摩擦が起きやすいため、オイルやバームに変えるなどして工夫するのがおすすめです。

 

コンタクトレンズの付け外し

コンタクトレンズの付け外しの際は、まぶたを引っ張ることで挙筋に負担がかかりやすくなってしまいます。たるみを防ぐためにも、できるだけまぶたを引っ張らずに、付け外しするよう心がけましょう。

 

ハードコンタクトレンズの使用

コンタクトを長時間付けていることが原因で引き起こされる「コンタクトレンズ性眼瞼下垂」といったものも存在します。

ハードコンタクトを付けていると、コンタクトレンズがまぶたの裏から眼瞼挙筋腱膜に刺激を与えることによって、まぶたがたるんでしまう恐れがあります。またハードコンタクトレンズは、まばたきの数が増え挙筋に負担がかかるため、注意が必要です。

休日はハードコンタクトを外してメガネで過ごすように心がけると、まぶたへの負担を軽減できます。

 

スマホ・パソコンの長時間使用

スマホやパソコンなどの液晶画面を長時間見ていることで、眼精疲労が溜まり目元のたるみを引き起こす可能性があります。

このように若い人でも眼瞼下垂を引き起こすケースがあるため、スマホやパソコンは休憩しながら使用するようにしましょう。

 

予防法2.上眼瞼下垂などにアプローチできるツボを押す

手の甲の「合谷(ごうこく)」と後頭部の「上天柱(かみてんちゅう)」「上風池(かみふうち)」「上完骨(かみかんこつ)」は、眼瞼下垂予防に効果的なツボとして知られています。合谷は親指と人さし指の間で、上天柱・上風池・上完骨は後頭部に横一列で並んでいます。

これらの周辺を押したときに痛い部分があればそこがツボです。約1分間押し続けることで効果を期待できます。

 

予防法3.力加減に気をつけながら正しい方法でマッサージする

まぶたの皮膚は非常に薄くデリケートなため、力加減を間違えてマッサージしてしまうとたるみの原因になるため、マッサージの際は正しい方法で行う必要があります。

まぶたに摩擦刺激を与えず、マッサージする方法を紹介します。

1. 人差し指と中指の第二関節で額を回すようにマッサージしましょう
2. そのまま、こめかみもマッサージを行います
3. 耳の上と髪の生え際の皮膚を指の腹で押すようにほぐします

お風呂上がりや寝る前など、気づいた際に行ってみてください。

 

予防法4.ボトックスを額に注射する

眼瞼下垂は、ボツリヌス菌の毒素注射(ボトックス注射)を使用して予防する方法もあります。ボトックスを額に注入することで、額の筋肉が動きにくくなります。そのため額の力を使わずにまぶたを開く状態になり、自然と眼瞼挙筋を鍛えることが可能です。

当院ではボトックス注射を扱っています。代表的なボトックスである「アラガン」以外にもボトックスのジェネリック製剤も取り扱っているため、1カ所4,378円〜と低価格でボトックス注射を受けられます。

 

手術しないで治す方法はない!眼瞼下垂を解消する治療法

眼瞼下垂の症状に悩んでいる方は手術で改善も検討してみてはいかがでしょうか。ここからは眼瞼下垂の治療方法を紹介します。

 

治療法1.切らずに糸で留める「眼瞼下垂ワンデー埋没法」

眼瞼下垂ワンデー埋没法は、医療用の糸で伸びてしまった眼瞼挙筋を縫い縮めて固定する施術方法です。挙筋を固定することで目が開きやすくなる上に、理想の二重ラインを目指せます。費用は両目で198,000円です。

施術中の痛みはほぼなく、糸を通す際に小さく内出血することもありますが周囲の人にわからない程度のためご安心ください。術後は希望の二重ラインよりも広くなる場合がありますが、7日程度かけて徐々に落ち着くため、触らず経過を見るようにしてください。またメイクや洗顔、シャワーは施術当日から問題なく行えるので、日常に支障をきたす心配はありません。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
切らない眼瞼下垂がおすすめな人は?知っておきたい治療内容と術後

 

治療法2.症状が重度の方におすすめ「眼瞼下垂切開法」

眼瞼下垂切開法は、上まぶたのラインに沿って切開し、挙筋を瞼板に固定する施術です。目の開きを改善できる上に、脂肪やたるみ除去を同時に行えるといったメリットがあります。価格は両目で308,000円です。

また多くの場合は埋没法で症状が改善されますが、眼瞼下垂の症状が強い場合は切開法がおすすめです。

目薬の麻酔を使用するため、施術中の痛みはほぼありません。術後の腫れは2週間程度で落ち着き、2〜3カ月で完成形へと仕上がります。また術後7日目に抜糸を行うため、それまでは休暇を取得しておくのがおすすめです。

 

治療法3.眉下を切開する「ブロウリフト(眉下リフト)」

ブロウリフト(眉下リフト)は眉の下のラインに合わせて皮膚を切開し、たるんでいる皮膚を除去して縫合する施術です。たるみがなくなり、目の開きが良くなるため、眼瞼下垂の症状に悩んでいる方に向いています。費用は両目で275,000円です。

また傷跡は眉毛の下に隠れるため、術後の傷跡が心配という方にもおすすめです。

まぶたのたるみを除去するだけで二重ラインは変わらないため、印象を変えずに目の開きを改善できるのがメリットといえます。

施術中の痛みはほぼなく、術後の腫れも出にくい特徴があります。術後の傷跡は10日程度で落ち着くため、触らずに経過をみてください。なお術後7日目までは眉下に糸がついているため、それまでは休暇を取得しておくのがおすすめです。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
眉下切開とは?気になるダウンタイム・失敗例・成功のポイントを紹介

 

【症例】写真と動画で治療の流れ・Before/Afterを確認!

施術名 眼瞼下垂ワンデー埋没法
施術方法 医療用の糸で伸びてしまった挙筋を縫い縮める施術方法
料金 両目242,000円
術後の経過 腫れ、内出血

眼瞼下垂ワンデー埋没法を受けた方の症例写真を紹介します。

施術前はまぶたにたるみが生じ、二重のラインがはっきりしない状態です。さらに額の力でまぶたを持ち上げているため、シワが寄っているのがわかります。

眼瞼下垂ワンデー埋没法を受けたことによって、まぶたのたるみが改善され、目元がスッキリとした印象になりました。まぶたが持ち上がったことによって、額のシワも改善されています。

フェアクリニックでは、眉下切開や眼瞼下垂治療の手術前後に密着した動画をYouTubeでも紹介しています。より詳細に施術内容を知りたい方は、下記の動画も併せてご覧ください。

 

【Q&A】眼瞼下垂に関する疑問や不安に答えます

眼瞼下垂を受ける前に、できるだけ疑問や不安を解消しておきたい方も多いのではないでしょうか。ここからは眼瞼下垂に関する疑問をQ&A形式で紹介します。

 

Q.アイプチは眼瞼下垂を悪化させるって本当?

一重まぶたの方や加齢によってまぶたがたるんでしまっている方の中には、アイプチを使用して二重をつくっている方も多いのではないでしょうか。二重まぶたにすることで目が大きく見えるだけでなく、まぶたのたるみも軽減できるため、眼瞼下垂の一時的な改善が見込めるでしょう。

しかしアイプチで眼瞼下垂が悪化するケースがあるため注意が必要です。アイプチの成分でまぶたがかぶれてしまったり、皮膚が伸びてしまったりする可能性があり、結果的に眼瞼下垂が引き起こされることも考えられます。

このようにアイプチは、一時的に眼瞼下垂を改善する方法としては魅力的ですが、根本的な改善にはなりません。アイプチの使用によってトラブルを引き起こす前に、眼瞼下垂手術を受けるのがおすすめです。

 

Q.眼瞼下垂が自然に治るケースはある?

眼瞼下垂は自然に治ることはありません。自己流のマッサージやトレーニングを行うとかえって悪化してしまうため、症状の改善を希望するならばクリニックにて治療を受ける必要があります。

 

Q.眼瞼下垂はなにが原因で発症するの?

眼瞼下垂は以下のような原因によって発症します。

  • 加齢
  • 先天性要因
  • 緑内障
  • 重症筋無力症
  • 動眼神経麻痺

眼瞼下垂の多くが加齢によって発症します。年齢を重ねると皮膚のたるみや筋力の衰えによってまぶたが開きにくくなります。また先天性要因によって眼瞼下垂が引き起こされるケースも考えられる原因のひとつです。

緑内障の治療薬である「プロスタグランジン」によって発症したり、筋肉や神経の異常によって発症する場合もあり、原因は多岐にわたります。

 

Q.眼瞼下垂がもとで自律神経失調症になりえるってホント?

眼瞼下垂は常に筋肉が緊張しているため、神経が常に刺激された状態になっています。これにより副交感神経と交感神経のバランスが乱れ、自律神経失調性になってしまうケースもありえます。

 

まとめ:トレーニングは予防効果のみ!眼瞼下垂にお悩みの方は早期のご相談を

眼瞼下垂を改善するためには、治療のみが有効でマッサージやトレーニングはほとんど効果がありません。かえってまぶたのたるみを悪化させる可能性があるため、自己流のマッサージなどは控えましょう。

トレーニングに関しては「予防」として効果を発揮するため、眼瞼下垂の症状を防止したい方は本記事で紹介したトレーニングを行ってみてください。

当院ではボトックス注射や眼瞼下垂ワンデー法などを扱っています。公式サイトからLINEやメールで予約できるため、気になる方はぜひ一度カウンセリングにお越しください。

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