美容コラム
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患者様の強い希望に対してドクターはどう対応する?
出演者情報
柴田医師:美容整形の女性の悩みについて本音の情報を発信している「Dr.柴田の美容整形予備校」主宰。
曽山医師:セイコメディカルビューティークリニック医師。
萩原:てんPこと、美容プロデューサー。25年で約10万人の患者様をカウンセラー・事務長として対応。
くらぬき:美容クリニックの主任カウンセラー。
患者様の要望はどこまで汲む?
萩原:はい、こんにちは。天の声のプロデューサー、てんPです。曽山先生と柴田先生です。よろしくお願いします。
柴田先生・曽山先生:よろしくお願いします。
萩原:今回のお題は脂肪吸引だったらとにかく「これくらいサイズダウンすればいい」、豊胸だったら「これくらいのカップになればいい」というのがある中で、二重・鼻は(患者さんの)こだわりが強いじゃないですか。それをどこまで患者さんの希望を組んで上げれて、違うよというふうに言う、もしくはどこまで叶えてあげられるか。そしてこれは叶えられるなと思ったのに実はその予想に反して叶えられなかったことはあるか?などを教えてください。どうやって話を聞きますか?
曽山先生の場合
曽山先生:僕多分カウンセリング…すっげー長いんですよ。患者さんのこだわりが強かったりしたら、とことんまずちょっと聞いてみよう。全然時間に関係なく長く聞くことありますよ。どうしたい、こうしたい、全部。全部聞いてできるかどうかは置いといて聞きますね。
萩原:めちゃめちゃ恋愛上手じゃないですか。
曽山先生:恋愛は下手なんですよ…。鼻のこだわりに関しては「ちょっと無理かな」という時も多いので、ただ目に関しては僕も色々やってきたので、修正も含めてね。だからまず1回、目は聞いてみますね。鼻のこだわりはやっぱり全部複合的に1個の問題じゃないので、トータルで再手術ならかなり大変ですね。叶えられない事も多いので。目はちょっとの事で変えられる可能性もあるのでね。さっき言われたように、僕の予想では「こうかな」と思ってやってみても、ちょっとそこまでうまくいかない時もありますよね。やり直しがきくように埋没だけをしたとしても、それがうまくできる場合もあれば、やっぱりちょっと広くなったとか。
萩原:理想的な美容外科ドクターの話を聞いた後、柴田先生答えにくい…。むせちゃったけど。
柴田先生の場合
柴田先生:僕は「できる」「できない」はある程度は判定しちゃうかな。何をやりたいか、「あー、分かった」というところまでは聞こうとは思ってる。できるかできないかで「できないな」と思う時はありますからね。
萩原:それは割とはっきり言いますか?
柴田先生:言っちゃう。謙虚に言うなら「僕にはできない」。
曽山先生:それは僕も分かりますよ。鼻とかもこの分野に関してはこの先生とかだといけるかもしれないとか言って紹介をしたり。
患者様のこだわりにはどう対応する?
萩原:そうなんですね。こだわりが強い患者さんに対して諭すことが大事なのか、「物理的に無理なんだよ」という話をしたとしても、患者さんとしては機嫌が悪くなったりという事もあるわけで、「色々評判を見て来たのに何ですか?」みたいな感じにそれは厭わないですか?しょうがないなという感じですか?
柴田先生:近づけられて、理想にね。向こうも「ここまでなら」みたいな折り合いが付けられるかどうかかなと思っています。
萩原:曽山先生どうですか?
曽山先生:諭すというところから言うと、間違った方向に患者さんが望んでいる場合もあるじゃないですか。広く広くとか、高く高くとか。そこは諭す方向にはもちろんいきますよ。でも気持ちが分かる時があるじゃないですか。「確かにもうちょっとここがこうだったら…」とか。そこは1回、僕は諭すというよりは共感する。じゃあどういう方法を取れるかというのも分かる限り、僕はできるできないは置いといて、他の先生はできるかもしれないけれどもと全部提示して、あとは戻せる戻せないを含めてね。そこで1回提示するのであんまり怒られてはいないかもしれない。
萩原:なるほど。
柴田先生:でもできないことを「できる」と言って、やってみてできなかった時大変じゃないですか。
萩原:大変ですね。現場を上げて大変ですね、それは。(そんな事は)絶対ないじゃないですか。
柴田先生:今はもうないですね。
萩原:昔はやっぱりありました?
柴田先生:やっぱり若い時は「チャレンジしなきゃ」というのがあったりして、思ったようにならなかった事があった。
萩原:若干の勝算はあるわけですよね?
柴田先生:こうしてこうしたら、こうするだろうなというのは絵があるというか、理屈としては流れが出来上がるものしかやらないです。
二重と鼻の治療はこだわりを持って来られる患者様が多い
萩原:なぜこういう事を撮りたかったかというと、二重・鼻の患者さんでこの人みたいになりたい、どこどこの先生がこう言っていた、本当にこだわりを持って来られる方がいろんな美容治療の中でも圧倒的に多いように思うんですよね。どういうふうに提案してあげたら納得してくれるのか、満足度の高いものになるのか、あるいはそこまでこだわりを持っているんだったら「やめておこうよ」と言って全部なしにしちゃった方がいいのか、カウンセリングに先生と一緒の入る立場として「この人やってあげていいのか、どうかな」といふうに思ったりするので。でもクリニックの経営上やっぱりやらないと…断ってばかりでも…というところはあるんですが。一定数そういう患者様っていらっしゃるじゃないですか。それは先生たちはどう考えるのかな?とは思いました。患者さんたちはいろんなところを見て選んで曽山先生・柴田先生にお願いをしているわけですから、「できるだけそこはどうにかしてあげたいよ」というふうに思うものなのかどうか。
柴田先生:いいかどうか分からないけど、諭すというより「魔法じゃないよ」と言う事はありますよ。
萩原:ありますね。そういう人たちってやります?最終的に。どう?
くらぬき:積極的にはすすめないのでやっぱりやらないですよね。
萩原:なるほど。「何でもかんでもやるよ」、「望み叶えてあげるよ」と言えば、本当にその一瞬の患者さんの満足度は僕はそこがピークなんじゃないかと思うんですよ。「あ!この先生叶えてくれる!!」というふうにブワーッとなって、期待値がすごい上がってる。でもそうならなかった時にドーンと落ちるわけで、クリニックの評判とかも考えると断る事も勇気なのかな…?と思ったり。でもそういういわゆる話が長い・こだわりが強い人、(治療を)やっちゃった後のストレス、「こうならなかった。私こう言ったのに」。こちらとしてはいろんな承諾書を書いてもらってこうだというふうに言っても、結局伝わってなかったというのでやっぱり断るべきなのかどうか?とか。
曽山先生:目に関して言うと、僕だったらガラッと変えたい人が来るじゃないですか。いろんな方法があるから。①二重を広げて目の開きをよくするとか、②横方向も広くする、③(目の)下もちょっと下げる。うまくいかなった場合に戻せるものも最初に入れつつ、段階的にまず患者さんに提案するんですよ。一気に全部しちゃってガラッと変わって「違う」となったら、しかも全部切開してたら…(戻せない)。最小限からやって、少しずつ患者さんが段階的に理想に近づいていける道筋を目だったら提案しますね。
萩原:それは最初の段階でステップをあらかじめ話しておくんですか?
曽山先生:そうです。
萩原:なるほど。
曽山先生:だからいきなり全切開で目頭もしっかり切ってという提案よりは、上だけは埋没にして目尻はそんなにやりすぎというのはあんまりないから。(目尻を)下げるのも戻せる治療であればね。目頭なんかはちょっとのことで変わっちゃうから、最後にちょっとするとかね。
萩原:なるほど。
曽山先生:順番を変えたりしながらすると、望みに少しずつ近づける、安全に。目だったら。鼻は何回もできないじゃないですか。
柴田先生:鼻はね。
萩原:今、でも曽山先生の診察の仕方、プレゼンの仕方というのは結構勉強になるところがありますね。「私の希望に寄り添ってくれようとしている」というところで。恋愛上手。
曽山先生:そこは下手なんですよ…
萩原:鼻はやっぱりさすがに何回もやり直しは難しいよというのは分かって頂きたいので、よく考えて精査してほしいとは思うんですけど。
萩原:二重のこだわりの(強い)人たちに関しては(希望を)言ってもらって、こちらとしては聞いて、提案内容を伝えて。「魔法じゃない」というのは確かにあるじゃないですか。
曽山先生:僕らも一発勝負は怖いですよね。パッと開けた時に患者さんが気に入るかというのは。段階的に見せて、これかこれだったらどっちかというのを選んでもらって。あとは全体の顔のバランスを見て、そのへんは患者さんに確認してもらったり。魔法じゃなくて計算が立つ。
萩原:なるほど。
曽山先生:そういう事ができるようになると思い切って治療がちゃんとできるようになるから、一気に全部やって「はい、どうぞ!」というのは僕はちょっと怖くてしないですね。
萩原:なるほど。先生、今の曽山式は取り入れていけませんか?
柴田先生:そうだね。
まとめ
萩原:セミナー料をお支払いします。こだわりが強い方に対してどう向き合っていくのがいいのかなというのは割とフェアクリニックのテーマだと思っていたので、こういう話からすごく大事な部分を教わった気がしますので。
曽山先生:簡単に言うと(目の方向は)4方向あるわけじゃないですか。①上、②下、③内側、④外側。あとは細かく言うと、脂肪(除去)・皮膚のたるみ、いっぱいあるじゃないですか。5~6個ありますよね。いきなり(眼瞼)下垂して皮膚もここで切って上げるというよりは、まず引き上げて二重を作った後にそれでもたるんでいたらこっちでちょっと切る方が自然な感じじゃないですか。(治療を)分けた方がいいですよね。
萩原:なるほど。
柴田先生:やっぱりね…。最近のテーマは(眼瞼)下垂と眉下(切開)を同時にした方がいいような人がいるじゃないですか。でもやっぱり分けるもの。いっぺんにやろうかなと思わなくもないんですけど、3ヶ月くらい空けるじゃないですか。やっぱり分けた方がいいんだな。
萩原:そうですね。ダウンタイムの事を思うと患者さん側としては「いっぺんにお願いしたい」となるじゃないですか。
曽山先生:そうなんですけどね。
萩原:勉強になりましたね、先生。曽山先生のご紹介も出来ますので是非言ってください。ありがとうございました。
柴田先生・曽山先生:ありがとうございました。