ゆりさん③:フェイスリフト術後2週間目

【フェイスリフト】たるみとしわが本当になくなった!【ビフォーアフター】

今回は術後の経過を追わせていただいている『ゆりさん』の術後2週間目の状態を中心に解説をしていきたいと思います。こちらは2週間目のYouTube撮影の時のゆりさんです。

Screenshot

術後2週間目の処置とは

手術後2週間目という日は髪の毛の生えている部分の抜鉤処置(ホッチキスを抜く)を行う日です。術後数日目の消毒、1週間目の抜糸、そして2週間目の抜鉤処置で通常の通院処置はいったん終わります。

傷の様子です。上が髪の毛が生えている部分の傷で下が耳の後ろの部分の傷です。良好な経過と言っていいでしょう。抜鉤処置は問題なく終了しました。

なぜ髪の毛の中はホッチキスなのか?

切開式フェイスリフト手術において髪の毛の中は医療用ステープラー(ホッチキス)で固定しています。皮膚は糸で縫い合わせているのに、なぜ髪の毛の中はホッチキスなのか?

通常、美容外科や形成外科の手術というのは原則皮膚表面だけを縫い合わせるということをしません。表面からは見えない皮下(真皮層)も糸で縫っています。つまり2層にわたって縫っています。

ところが、髪の毛の生えている部分でそれをすると、毛根を痛めやすく、それによって毛が生えなくなるということが起こる可能性が高くなります。そのため、表面をしっかり合わせてくれる医療用ステープラーが登場します。固定力はしっかりしています。ただし、皮下縫合を行わないため、1週間目だとまだ傷のくっつきが完全ではなく、2週間目にホッチキスを抜くようにしています。

ホッチキスがついている部分は痛みが少ないの?

これもよくある質問です。前回の投稿でお話しした「綺麗に縫い合わせた傷はあまり痛まない」という原則と同じで、綺麗に傷を合わせればホッチキスで固定しても痛みはあまり出ません。この方も横に向いて寝転んだ時も痛みはなかったとおっしゃっています。

・髪の毛の中の傷は毛根を痛めないために、医療用ステープラー(ホッチキス)で傷をくっつけている。

・金属であるホッチキスが付いていても、痛みはほとんどない。

さて、2週間後の腫れや内出血は?

そして顔全体の様子はこちら↓

術前と比べてみましょう↓

非常に良い引き上がりです。かつ腫れの引き具合も良く、皮下出血斑(内出血)はさらに引きました。これで完成、と言ってもいいような経過ですが、まだむくみは多少ありますので、ここからまだ引き締まっていきます。ネックリフトを合わせたことで顎下のたるみも改善し、スマートなフェイスラインになっています。

それと目の開きがよくなっています。上まぶたの皮膚が術前よりもち上がって、特に目尻側の二重の線がよりはっきりしました。直接的には何も操作をしていないので不思議だったりしますが、理由を考えると、皮膚の剥離を側頭部からこめかみにかけて行っているため、皮下で収縮が起こりそれがまぶたにまで影響が及んでいるということではないかと思います。

・術後2週間ともなると、腫れもだいぶ落ち着いてきます。

・多くの場合、目の開きも良くなります。これは側頭部の剥離部分の皮下の拘縮の影響と考えられます。

さて、術後いつから仕事に出られるのか?

このゆりさん、ナースさんでいらっしゃいます。手術後出勤したのは術後8日目からとのことでした。抜糸の翌日ということになります。仕事中は髪の毛をアップにして傷の保護テープは見せている状態です。このテープは皮膚の色に近いので比較的近距離でもあまり分からないとは思います。そしてマスクをしてのお仕事となりますので、勤務中も特に他の職員に気付かれることもなかったようです。仕事中に動きがあると、痛みはないけど突っ張っているような違和感はあったとのことです。患者さんとお話しするときに多少の口元の動かしにくさはあったけど、話すこと自体には影響はなかったとのことです。

・抜糸が終わって(術後1週間目)マスクをすれば、大体の場合は仕事が可能です。

・髪の毛を下ろせば傷もわかりませんし、髪の毛アップでも保護テープでだいぶ傷の部分はカモフラージュできます!

手術後の拘縮について

さて、術後2週間の時期になると術後の拘縮というものが始まります。傷というものは一旦くっつくと「拘縮」が起こります。縮んでいこうとするのです。切って縫い合わせた線状の傷も、フェイスリフトのように皮膚を剥離してまたくっつけてできる面状の傷も縮んでいこうとします。特に脂肪吸引した部位はカニューレと呼ばれる金属の棒で何回も擦る作業を行いますので、拘縮が起きやすいです。これは人間の体において生理的な反応として起こるものなので、特にフェイスリフトに脂肪吸引を合わせるというのは逆にその性質を利用してより引き上げの力をアップさせているという側面もあります。

・傷とは線状でも面状でも拘縮を起こし、縮んでいく性質がある。

・フェイスリフトと特に脂肪吸引を合わせた場合、より拘縮が起きて、結果的にリフトアップ効果が増強する。

その他気になることは?

そのほか気になることは、剥離操作をした部分の感覚が鈍いということとおっしゃっています。皮膚の剥離を行うと細かい神経も切っていることになります。そして傷を縫い合わせたとしても、神経の再生というのは時間がかかるものです。個人差は比較的あるのですが、おおよそ3〜6ヵ月で回復します。なお、あくまで神経が鈍麻するのはいわゆる知覚神経(痛みとか、触った時にわかる、という感覚)によるものであって、運動神経(顔の場合は主に顔面神経)とはまた別になります。

まとめ

この術後2週間目のYouTube撮影でゆりさんは「この手術の決断は人生における大きな決断だった」とおっしゃいました。腫れがだいぶ引いたこの時期にご実感いただけた、ということもありますが、まさに大きな決断をされて手術を受けていただくわけですから、術者としても身の引き締まる思いで手術に臨みたいと思っております。

症例写真

フェイスリフト・頬の脂肪吸引 (症例No.k31552)
担当医
柴田健了
経過日数
6ヶ月
費用
顔の脂肪吸引187,000円~308,000円
フェイスリフト407,000円~850,000円
副作用・
リスク
顔の脂肪吸引
  • 腫れ・赤み・痛み、内出血、硬さ・つっぱり感・しびれ感
  • カニューレ挿入部の赤み・色素沈着
  • 感染・出血・血腫、創離開
  • 皮膚の凹凸・左右差が生じることがあります。
  • 圧迫不足や体質により、硬さ・しこりが長引く場合があります。
  • 傷跡や瘢痕が目立つことがあります(体質による)。

フェイスリフト
  • だるさ・熱感・むくみ・かゆみ・軽い発熱などの全身症状
  • 傷周囲の赤み・盛り上がり・硬さ(体質により長引くことがあります)
  • 内出血・血腫、むくみの遷延
  • 感染(化膿)により痛みや腫れが強くなる、長引く
  • 左右差や、表情の変化を「違和感」と感じること
  • 耳の形・耳たぶの位置などがわずかに変化する可能性
  • ごく稀に、アレルギー反応・ショックなど全身的な合併症
施術前
6ヶ月後

この方の治療ストーリーをチェック

【フェイスリフト】リフトアップ施術をまるっと解説❗️
【フェイスリフト】リフトアップ施術をまるっと解説❗️

著者 美容外科医 柴田健了 医療法人社団 フェア 理事長/日本形成外科学会 認定 形成外科専門医/日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医

フェイスリフトを中心に、たるみ・しわ改善、二重術や目元の若見え治療など幅広いエイジングケアを専門としています。
日々の診療を通じて感じたことや、美容医療の現場での気づき、ときにはプライベートなことまで、ここで自由に綴っていきます。
より確実な提案を通じて、美容医療をもっと身近に、もっと安心できるものに──その思いを込めて発信しています。

院長メッセージを見る

美容外科医 柴田健了

来院のご予約・ご相談

直前のご予約はお電話ができるだけす。

LINE相談

友だち登録で
お得な情報も配信中!
QRコード
pagetop