最新
情報

美容コラム

【医師が解説】韓国の脂肪吸引は脂肪を取りすぎる!?

この記事を書いた人

柴田 健了(しばた たけのり)

京都大学医学部卒。日本形成外科学会専門医。長年の治療実績、論文の成果が認められた医師のみが認定される日本形成外科学会専門医の資格を持つ。20年以上形成外科・美容外科の専門医として従事し、大手美容外科を経て、フェアクリニック川口院/東京院を開設。クリニックのコンセプト「フェア(正しい・明瞭)」を掲げ、良質な技術を提供。▶公式サイトURL:https://fairclinic.jp/about/

出演者情報

柴田医師:美容整形の女性の悩みについて本音の情報を発信している「Dr.柴田の美容整形予備校」主宰。

くらぬき:美容クリニックの主任カウンセラー。

てんP:マスコットキャラ兼プロデューサー。

失敗しない為の脂肪吸引での注意点

柴田医師:こんにちは。フェアクリニック院長の柴田です。

くらぬき:秘書のくらぬきです。

てんP:てんPです。さて柴田先生、今回は夏に向けて人気が出ます。脂肪吸引。女子が気になる二の腕について今回やります。とにかく細くしたいという事で来られるんですけれども、二の腕を題材にしたのはちょっと1つ理由があって、ユーチューバーで女性3人組のヘラヘラ三銃士という人たちがいて、この中にありしゃんさんというネイルサロンを経営する女性がいまして、韓国で美容整形を受けたんですよ。ありしゃんさんは輪郭骨機能オペとかを韓国で受けたりとかするんですが、二の腕の脂肪吸引も韓国で受けているんですね。手術後の経過もかなりどぎつい感じで出していて、実際日本のクリニックと韓国のクリニックの脂肪吸引の違いみたいなものを言っていて、まずそこが本当に違うのかどうか柴田先生にお聞きしたいんですけれども。

日本と韓国の脂肪吸引は全然違う!?

てんP日本に比べて韓国はかなり吸引する。日本は甘いぐらいの感じなんですね。ガンガンに取るんだと。そうじゃないと細くならない。それってリスクはどうですか?

柴田医師凸凹になるんじゃないですかね、やっぱり。あとはガンガン取ると言っても取れる限界はあると思うんですけど。ガンガン取るっていう事を脂肪吸引でリクエストする人って体の中が全部脂でできていると思ってるのかな?と思うような気がするんです。そんな事はない。筋肉があるんだ。骨もある。もちろんあるやつはガンガン取りますけれども、やっぱり皮膚にくっついているちょっとは残しますね。その方がきれいだから。

てんP:仕上がりの事も見据えて取るという事ですね。くらちゃん、実際患者様はどう?取りたがる?

くらぬき:取りたがりますよね。先生はちゃんと説明してくださるので、患者さんが取りたいんですっていう時って、ここがこう脂肪なんですという感じですけど、実際はこれは全部脂肪ではないですよね?

柴田医師:ないですね。

くらぬき:その中で先生がもう1回つまんで「これが脂肪です」っていうのを示したうえで、取り過ぎるとやっぱり壊死するのかな?っていうのもあるので、先生は残しているのかなと思っているんですけど。

柴田医師:凸凹になるから。

脂肪吸引で脂肪を取りすぎると壊死する?

くらぬき:壊死はしないんですか?取り過ぎても。

柴田医師取り過ぎて壊死というのは、ないような気がする。

くらぬき:皮膚がすごく薄くなり過ぎちゃって。

柴田医師:そこまで取った事ないから分からないですけれども。あるのかな?そんな事。脂肪の厚みを測るテスト、ピンチテストという名前が付いている。ちゃんと筋肉を感じて、そこの外側をつかむ、これが皮下脂肪。この厚みが大体皮下脂肪の厚みと一致してるという事で測ってるんですよね。

てんP:なるほど。先生のつまみ方ってすごく奥ゆかしい。ひょいっていう感じじゃないですか。ドクターによっては「こんなにつまめますよ」みたいな感じで、グリグリッってやる人もいるでしょ?てんPが出会ってきたドクターたちは結構そういう人たちが多くて、ガバッとつかんで「この半分ぐらいは取れますよ」って言うんですけど、つかみ方が違う。

柴田医師:あと僕、エコーでちゃんと測ってたんですよ。だからもう厚みなんて絶対分かるんです。はっきり分かったうえでやってたので。そのうえでピンチテストしてたので、大体合ってるんですよ。厚みがこれくらいあるって分かってやってるんですよ。

実際の患者様の要望

てんP:それは患者さんからするとくらちゃんは柴田先生が触っている時に、患者さんはもうちょっと取って欲しいみたいな人もいる?

くらぬき出来る限り取って欲しいというリクエストで、先生も「出来る限り取ります」とは言いますからね。皮膚からくっついている5㎜~1cmは残すという事ですよね。

てんP:なるほど。それで患者さんは理解してくださいますか?

柴田医師:理解してもらってると思ってます。

てんP:だから受けてくれてるんですよね。

柴田医師:あとは「凸凹になってもいいから取ってくれ」という人はいますので、それだったらちょっとは攻めますけどね。

てんP:実際でも凸凹になる人っていらっしゃらなくないですか?

柴田医師:あんまいないかな。

てんP:くらちゃん、それ言われた事ないよね?

くらぬき:ないですね。

てんP:凸凹になったみたいな感じ。

脂肪吸引の裏技!?

柴田医師:凸凹になった時の修正の仕方に僕の裏技があるんです。

てんP:裏技?

柴田医師脂肪を取ってそこに入れるんですよ。これ言ったらもったいないけど。みんな覚えちゃったらもったいない。くらいの技だと思います。入れよと思って。

てんP:吸引したやつを?その場で?

柴田医師:入れます。

てんP:エコ、リサイクル。

くらぬき:ちょっとここ凹凸になりそうだなという時に入れてますよ。

てんP:そうするとなれるわけですよね?

柴田医師:そしたら大丈夫。その後別に。

くらぬき:でもそうすると凹凸になるかどうかっていうのは吸引中に分かるって事ですよね?

柴田医師:いっぱい取ればなりやすいというのは可能性の問題で、基本的には吸引の棒を吸引する時にこう動かすんですね。同じところを動かしていたらそこだけ減っていくので凹みます。基本的にはそうならないようにちょっとずつ角度を変えて、例えば太腿であれば太腿へ変えて、お腹でもいいんですけど、常に角度を変えてやるというのは基本主義的に大事な事なんです。教科書に書いてあるみたい。

てんP:深さを変える?

柴田医師:深さはあんまり意識しません。まんべんなく同じところを2回連続で基本しない。どうしても取る時はしますけど。最初はしない、ざっくり取る時。

くらぬき:先生、脂肪吸引中にこうやっててこうつまむじゃないですか?皮膚をつまみながら「いいかんじだね」ってなってますけど、あれはやっぱりつまんで減っている感じが分かるんですか?

柴田医師:それで感じて。

てんP:つまんで脂肪が残っているかどうかを探っている?

柴田医師:そうですね。教科書の話でいうと、基本的にこうしろというのは基本的なとこでちゃんとした美容外科医なら知ってると思うんですけど。

てんP:なるほど。カニューレを通す方向が矢印?

柴田医師:まんべんなくやりなさいよというふうに思ったらいいと思います。

てんP:先生、ずいぶんと歴史のある本ですけれども、もう昔から?

柴田医師:昔からでしょうね。

てんP:基本的な主義としては昔からそう変わっていないという事?

柴田医師:変わっていないと思います。新しい機械を入れてもそこは変わってないと思います、吸引という事においては。

てんP:なるほど。取り方。どこにカニューレを入れていくかというのが非常に大事。凸凹にすることをそれで防いでいるという事ですね。

韓国での脂肪吸引後の腫れと痛み

てんP:話を戻すと、ヘラヘラ三銃士のありしゃんさんは手術後約4ヶ月間は腫れていたんですね。二の腕の経過をずっとたどってくれるんですけれども、とにかく痛そう。痛い。

柴田医師:4ヶ月腫れているんですか?

てんP:腫れが引くまで4ヶ月かかったそうなんです。腕が上がらない、歩く振動すらつらい、髪まで手が届かないから結わけないんですね。シャンプーも同居しているヘラヘラ三銃士の人たちに手伝ってもらったりするんですけども。こんな痛い!?っていう感じなんですね。個人差なのか、韓国で本当にがっつり取るからなのか。

柴田医師がっつり取ったからでしょうね。多分なんで痛いかと言うと、筋肉を擦っているから痛いんだと。脂肪だけだったら痛くないとは言いませんが。

韓国の脂肪吸引について

てんP韓国だととにかく痩せさせるんだそうです、体重的に。

柴田医師:手術の?

てんP:手術の後に。術前のカウンセリングみたいなのがあって、そこで「あなたは目標体重○○kgにしてください」、「○○までに○○㎏まで瘦せてください」と言われるんだそうです。そうじゃないと体液が溜まって術後は太るから、それを見越して痩せておかないと効果が出ませんという話らしいんです。例えばそのカウンセリング風景みたいなものをやっていたんですけれども、とにかく体重を落とせという事を言ってました。

柴田医師:そうすると細くなりますよね。

てんP:確かにそうですね。

くらぬき関係あるんですか?脂肪吸引するうえで。

柴田医師それだけじゃないの?

てんP:手術後はめちゃめちゃタイトなスーツを着てましたね。

柴田医師:着てたというのはそれもクリニックの?

てんP:クリニックの。オーダーして全部腕の大きさからはかって、特注で作ったやつを毎日着なさいという感じでした。結構見てて、日本と違ってヘビーだな、ハードだなとは思いました。

柴田先生が施術した実際の症例

てんP:先生の症例ですけれども、くらちゃん、この方は覚えていらっしゃいますか?

くらぬき:はい。覚えてます。

てんP:40代かな?上の4枚が左腕を曲げてもらった時の写真ですが、左上から3日後、右上が7日後、左下が1ヶ月後、右下が3ヶ月後。下の4枚の写真は左から3日後、7日後、1ヶ月後、3ヶ月後なんですけれども、どうでしょうか?

柴田医師オーソドックスな経過ですよね。3日目なのでまだ抜糸が終わってませんので、糸が付いている。曲げているのでここにも傷が何カ所かあります。内出血も出始めてて、水分が溜まります。脂肪細胞が減るので、人間の体というのは何か減ったら補おうとするので、そこが水分として溜まるというのが正常な反応と言える。次が1週間後の経過。傷がくっついていますので抜糸が済んでいる。内出血は濃かったところはまだ残ってるけど、薄かったところはだいぶ黄色くなって。これも正常な経過と言っていいでしょう。むくみはちょっと減ってるかな。

てんP:そうですね。黄色になってきたというのはもう治ってくるよという?

柴田医師:そうですね。赤血球が分解されてだんだん吸収される途中という感じですね。

柴田医師:1ヵ月目です。内出血はだいぶなくなりました。むくみもこの時に比べると引いてますけども、実際に触るとちょっとなんか硬いんですよね。柔らかいのではなくて硬い。そういった時期。見た目はほぼ正常という感じ。

てんP:内出血はもうなくなってるような感じですね。

柴田医師:このくらいにはなくなりますね。

てんP硬くなるというのはなぜですか?

柴田医師:結局、傷というのが硬くなる性質があります。切り傷だったら傷がキュッと硬くなるし、中で擦り続けていると反応が起きて硬いのかなと思います。そして3ヶ月後ですね。この時点でむくみも引き、硬さもなくなり、ほぼ正常になってるかなという状態です。

てんP:下の段にいきますけれども、左から3日後、7日後、1ヶ月後、3ヶ月後ですが。

柴田医師:内出血は分かりやすくだんだん引いていっています。むくみも徐々に引いていっていますね。

てんP3日後と7日後が痛々しく、何かで縛られた跡になっているのは?

柴田医師これは圧迫の跡ですね。3週間くらいというのは水分が溜まりやすいので、その間は水分が溜まらないようにするためにギュッと締め付けておく必要かなと思っています。

3週間は水分がたまりやすい為、圧迫することでむくみを防いでいる

手術後、テーピングでの圧迫は大事!

てんP:二の腕はこういったテーピングを腕にぐるぐると巻いて、これが3日間ですね?腕のサポーター。私さっき付けてみましたけれども、こういう感じ。かなりきついです。本当にきっつきつな感じ。これでゴルフのスイングしたら固定されててすごくいいんじゃないかっていう感じです。曲がらない。

てんP:これが持ってもらって腕にはめて、後ろがマジックテープ状になっているので、それを背中でピタッとくっつく。常に同じ位置が圧迫されている感じになると。先生、これは圧迫が大事?

柴田医師大事ですね。圧迫しないで3週間経ったのを見た事がないので、しなきゃどうなのか実は知らないんですけど。

てんP:僕らがカウンセリングを覚え始める時に習ったのは、○が脂肪細胞ですね。脂肪細胞の数は20歳を超えると変わらない。だから数を減らしてあげて、あとは大きくしなければ痩せるんだというふうに習ったんですけれども。斜線引いてある位置がカニューレで吸い取りましたよという事なんですけれども、ここに隙間ができる、そこに体液が溜まる。だからブヨブヨするし、体重的にも変わった感じがしないというふうに習ったんですが、この入り込んだ体液がなるべく隙間に来ないようにするために圧迫をするという考え方ですか?

柴田医師:そうですね。もう1つはさっき言ったように、カニューレで吸い取った部分が傷なので緩んでいるとそこに傷の太さの幅ができちゃうと思うんですね。だからそういう事も含めて圧迫しておいた方が締まった状態で傷が出来上がるという事も考えますね。これが術前と術後3ヵ月の写真を後ろ側から比較してますけれども、見て頂ければこれは結果が歴然と。

柴田医師:振袖と呼ばれるところは真っすぐになりましたしね。もたつきが少しスッキリした。ここを意外と取るのが大事なんですね。まずは振袖と呼ばれる押したときに垂れ下がるところ、ここはしっかりまず取るというのが意識していること。肩の脇の付け根の部分をしっかり取るというのもシルエットをきれいに出すために必要な大事だなと。意外と大事なのは左右均等に取る事ですね。右やってから左やるという順番になるので。

左右均等に脂肪吸引できるの?

てんP:どっちが取りがちになるとかあるんですか?先にやると取りがちになるとか。

柴田医師:元気な方が取りがちになる。

てんP:なるほど。始めたばかりだから元気だから?

くらぬき:均等ですね。

柴田医師:1回ああ!って思った事があった。あ‼ずいぶん違う‼

てんP:それはリカバリーきくんですか?

柴田医師:頑張ったんだと思うよ(笑)

てんP: www

くらぬき右から取り始めて左を取ってると、右は腫れてきてるじゃないですか?分かるんですか?

柴田医師どっちもしっかり取れば残る量は一緒だと思うので。不思議な事に差がつくことがある。だからそれがないように意識はしています。左右のバランスと似たような話なんですけど、他の場所に比べて細い分、場所によって取りやすいさ・取りにくさがちょっとあるんですね。ばらつかないようには。脂肪の硬さが箇所で違うんですね。

てんP:なるほど。僕らも今腕ちょっと触ってみて明らかに肩側、上の方が硬いですもんね。下の振袖は柔らかいですね。

柴田医師:だから振袖を意識してると言いつつも、全身を取る時はまんべんなくなるべく取るというのは当たり前のように意識しないとばらつきが出やすいなとは思います。

てんP:なるほど。分かりました。凸凹にならないように気をつけるという事。

柴田医師:そういう事ですね。

まとめ

てんP:安全な範囲の中でしっかりと取り切るという事と、左右のバランスを考える、あとは硬いところも柔らかいところもまんべんなく取るという事。今回は二の腕の脂肪吸引について、先生、脂肪吸引大好きですか?

柴田医師:大好き♡

てんP:脂肪吸引が大好きな柴田先生にお話を伺いました‼ありがとうございました。

柴田医師くらぬき:ありがとうございました。

©フェアクリニック All Rights Reserved.

メニューへ戻る